Gmailにおける「新しいメール送信者のガイドライン」の概要
【最終更新日:2024年2月28日】
Google社より、2024年2月1日から、Gmailアカウントに対してメールを送信する送信者に対し適用する「メール送信者のガイドライン」を更新する、というアナウンスがありました。対象となる受信側のGmailアカウントは、個人のGmailユーザーとなります。Google Workspaceユーザについては、2023年12月5日に更新されたガイドラインにて適用対象外となりました。
Gmail公式ヘルプについて
Gmail公式ヘルプは英語版が先に更新されるケースが多いため、最新情報を確認される際は英語版での閲覧を推奨いたします。
【英語版】
【日本語版】
なお、Google社のヘルプサイト記載内容に関してご不明点がございましたら、お手数ではございますがGoogle社までお問い合わせいただけますようお願い申し上げます。
Info
Customers Mail Cloudのご利用に関する「メール送信者のガイドライン」のFAQはこちらをご覧ください。
Gmailの新しい送信者のガイドラインの概要
* Customers Mail Cloudでの設定が関与する項目
1日あたり配信が5,000件以上の場合 | 1日あたり配信が5,000件未満の場合 |
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SPFおよびDKIM認証が必要 * | SPFまたはDKIM認証が必要 * |
有効な正引きおよび逆引きDNSレコードの設定 | 有効な正引きおよび逆引きDNSレコードの設定 |
Google社のPostmaster Toolsで報告される「迷惑メール率」を0.3%未満に維持すること | Google社のPostmaster Toolsで報告される「迷惑メール率」を0.3%未満に維持すること |
メッセージ形式がRFC5322に準拠している (※Customers Mail Cloudは対応済) |
メッセージ形式がRFC5322に準拠している (※Customers Mail Cloudは対応済) |
メール転送の要件 | メール転送の要件 |
メール送信にTLSコネクションを使用すること | メール送信にTLSコネクションを使用すること |
DMARC認証の設定 * | |
DMARCアライメントに合格すること。 Fromヘッダのドメインは、SPFドメインまたはDKIMドメインと一致させる必要がある。 |
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メール受信者に簡単な登録解除を提供すること |
「1日あたり配信が5,000件以上」となる「一括送信者」の定義
個人のGmailアカウントに対して、24時間以内に5,000件近くあるいはそれ以上のメールを送信する送信者が「一括送信者」と定義され、メール通数のカウントは、送信ドメインの「プライマリドメイン」単位で計算される、と公表されました。
また、上記条件を1度でも満たした送信者は以後「一括送信者」と恒常的にマークされ、解除されない、とのことです。
Customers Mail Cloudをご利用中のお客様へのお願い
「メール送信者のガイドライン」によると、一括送信者の新しい要件は「5,000通/日以上のメールを Gmail 宛に送信している」送信者に対してより厳しい要求がなされています。また、1日あたりの配信数が5,000件未満の送信者に対しても送信要件は定義されております。
いずれにおいてもガイドラインの要件を満たしていない場合「期待するメール配送が行われない可能性がある」ことが示唆されています。確実にメールを配信するためにも、当ガイドライン準拠となるよう設定を進めていただきますようお願いいたします。
1. 送信メールの認証をする
上記ガイドラインのうち「メール認証」要件を満たすために、SPFとDKIMの導入と設定の調整、および DMARCへの対応をお願いいたします。
設定すべき事項
なお、DMARC導入時、ヘッダーFrom、エンベロープFromおよびDKIM署名に使用するドメインは同一ドメインであるか、もしくはサブドメイン利用などにより親子関係とする必要があります。
また、DMARCレコードの公開につきまして、「メール送信者のガイドライン」上では適用ポリシー(pタグ)は「none」とする設定にて問題ない旨の記載がございますが、お客様のご運用及びセキュリティポリシーに従いご判断くださいますようお願いいたします。DMARCレコードの公開がない、もしくはDMARC認証に失敗した場合は、受信拒否またはスパムメールとして扱われる可能性があります。
2. 未承諾のメール、または迷惑メールを送信しないようにする
「必要なメールを送信していること」については、Google社より「報告される迷惑メール率を0.1%未満を維持し、0.3%を超えないように維持すること」という具体的な指標が設定されています。
この迷惑メール率は、Google社提供のPostmaster Toolsにて定義された数値となります。Postmaster Toolsの詳細とご利用方法については、下記公式ヘルプをご確認ください。
- Gmail公式ヘルプ:Postmaster Tools を使ってみる
注意
Postmaster Toolsは弊社サポート窓口の対応範囲外となります。
3. 受信者がメールの配信登録を簡単に解除できるようにする
受信者によるメール配信の「登録解除」については、メール本文内からワンクリックで解除できる仕組みの提供がガイドラインでは要求されています。
- メール本文中に、ワンクリックで操作可能な購読解除リンクを設置すること
- ガイドライン内に記載されているList-Unsubscribeヘッダについては、RFC8058に基づいて2024年6月1日までに実装されていること
注意
List-Unsubscribeヘッダを利用する場合、受信者が購読解除リンクをクリックした後に解除リクエストを配信リストへ反映させるシステムの実装が別途必要です。
メモ
プロモーションおよびマーケティング目的のメール、受信者が配信登録をしたメールではない場合は、この限りではありません。
なお、上記はCustomers Mail Cloudが提供している送信そのものの仕組み以外での対応となるため、弊社製品の仕様では対応できかねるものとなります。
Customers Mail Cloud から配信するメールに対して、List-Unsubscribeヘッダを追加する機能の提供を2024年5月上旬に予定しております。詳細はこちらをご覧ください。
ガイドライン適用のスケジュールについて
「メール送信者のガイドラインに関するよくある質問」に、ガイドライン適用スケジュールの大枠が公開されました。
「一括送信者」に対する措置は、Googleのメール送信ガイドラインの要件を満たさない場合において、以下のように段階的に行われます。
2024年2月以降
ガイドライン非準拠のメールについて、ごく一部でエラーコードを含む一時的な送信エラーを受け取るようになります。
これらのエラーは、「送信者がGoogleのガイドラインを満たしていないメールトラフィックを特定し、コンプライアンス違反の原因となる問題を解決できるようにすることが目的」としています。
2024年4月以降
ガイドラインに準拠していないメールトラフィックを、一定の割合で拒否するようになります。
拒否の割合は徐々に引き上げられる予定とされています。例として、送信者がそのトラフィックのうち75%について要件を満たしている場合、残りの25%について一定の割合で拒否されるようになる、と述べられています。
2024年6月以降
「一括送信者」は2024年6月1日までに、すべての商用メール、プロモーションメールにワンクリックでの登録解除を実装する必要があります。実装については、RFC8058 に沿って実装することが要件となります。
なお、パスワードの再設定、予約の確認、フォーム送信の確認などのトランザクションメールに対しては実装の対象外としています。
Info
Customers Mail Cloudのご利用に関する「メール送信者のガイドライン」のFAQはこちらをご覧ください。